退去費用はどれくらい?賃貸でペットを飼う場合の注意点も解説

退去費用はどれくらい?賃貸でペットを飼う場合の注意点も解説

ペットと暮らせる賃貸物件は魅力的ですが、退去時に通常より高額な費用が発生することがある点に注意が必要です。
ペットによる床や壁の傷、においの付着などが原状回復費用に影響し、想定以上の負担となるケースもあります。
余計なトラブルを避けるためには、退去費用の相場や請求の仕組みを事前に理解しておくことが大切です。
この記事では、ペット可物件における退去費用が高くなる理由や平均的な費用、費用を抑えるための工夫について解説します。

ペット可賃貸の退去費用が高い理由について

ペット可賃貸の退去費用が高い理由について

ペットと暮らせる賃貸物件は年々増加していますが、退去時の費用が予想以上に高くなることが少なくありません。
敷金や修繕費用、クリーニング代がかさむ背景を理解し、事前に対策を講じることが必要です。
ここでは、ペット可賃貸の退去費用が高くなる主な要因を3つに分けて解説します。

敷金が多めに設定されている背景

ペット可の賃貸物件は、ペットによる傷や汚れなどのリスクを想定して、入居時に設定される敷金が通常より高めになっています。
一般的に家賃1か月分程度が多い敷金も、ペット可の場合は2か月分や3か月分に設定されることがあり、貸主がリスクをカバーする仕組みです。
さらに、契約形態によっては敷金の一部が償却され、原則として返金されないケースも少なくありません。
退去時の費用が高くなるのを避けるためには、契約前に敷金の内訳や償却条件をしっかり確認しておくことが大切です。
ペットと快適に暮らしながらも、貸主とのルールを守る姿勢が、トラブル回避と費用削減につながるでしょう。

汚れによるクリーニング費用の増加

ペットを室内で飼育すると、床やカーペットに毛が絡みつきやすく、食べこぼしや水のこぼれが染みになって残ることがあります。
こうした汚れは通常の掃除では取り除きにくく、退去時に専門的なクリーニングが必要になる可能性があります。
また、粗相による汚れやカビの発生は衛生面にも影響を及ぼすため、床材や畳を部分的に交換しなければならないことも少なくありません。
壁紙や柱などへの汚れや傷も合わせると、クリーニングと修繕費用が一気に膨らむことがあるため、ペットと暮らす際には日頃のケアが欠かせないといえるでしょう。

ペットのにおいによる消臭作業の必要性

ペットが発する体臭や排泄物、餌のにおいは、長期間にわたって暮らすほど住居に深く染みつきやすくなります。
とくに、換気不足や掃除の不徹底が続くと、退去時に強いにおいが残り、通常の清掃だけでは除去できないことがあるのです。
そのため、専門業者による消臭作業を依頼する必要があり、ワンルームで2万円から5万円ほどかかるケースも見られます。
壁紙や床材の下地にまでにおいが浸透している場合は、張り替えが必要になり、さらに費用負担が増す可能性があります。
においを抑えるためには、こまめな換気や清掃に加え、消臭剤や空気清浄機の利用も効果的です。
貸主との信頼関係を保つためにも、日頃のメンテナンスを意識しておきましょう。

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ペットを飼育していた場合の退去費用の相場について

ペットを飼育していた場合の退去費用の相場について

前章でもお伝えしたように、ペットと共に賃貸物件で生活していると、退去時の費用が高額になるケースが多く見られます。
これは、ペットによる床や壁、柱などの損傷や汚れが修繕費の増加につながるためです。
ここでは、代表的な修繕箇所と費用相場を示し、どのような点に注意すべきかを説明します。

フローリングの傷や張替え費用

ペットが部屋の中を動き回ると、フローリングに爪痕や引っかき傷がつくことがあります。
浅い傷であれば、部分補修で済む場合もありますが、深刻な傷が広範囲に及ぶと、全面張替えが必要です。
6畳程度の部屋を全面張り替える場合、10万円から18万円ほどかかることがあり、下地までダメージを受けていると費用はさらに高騰します。
排泄物のシミや臭いが残ると、通常の掃除では対処できないため、修繕にかかるコストを事前に把握しておくことが大切です。

壁紙の破損や張替えの目安

壁紙はペットが体を擦りつけたり、猫が爪とぎをしたりすることで破損する場合があります。
6畳ほどの部屋を全面的に張り替えるには、4万円から7万円程度かかりますが、高級な壁紙や特殊なデザインの場合は費用が上乗せされることもあります。
また、ペットの体臭や排泄物のにおいが染みつくと、消臭作業を追加でおこなう必要があり、その分の費用負担が増加してしまうでしょう。
壁紙の素材によっては汚れが落としやすいものもあるため、入居時に壁紙の種類を確認しておくことも大切です。

柱のひっかき傷などによる補修費

柱で爪とぎをするペットも少なくありませんが、木製の柱は特に傷つきやすく、見た目だけでなく強度に影響を及ぼすおそれがあります。
傷が浅い場合は、パテでの補修などで済むこともありますが、深刻な傷や広範囲にわたる場合には柱の交換が必要になるでしょう。
一般的な修繕費用は2万円から6万円程度とされていますが、部材のグレードや施工範囲次第で大きく変動します。
早めに爪とぎ防止対策をおこない、柱を保護しておくことが出費を抑えるポイントです。

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退去時の費用を抑えるための対策について

退去時の費用を抑えるための対策について

退去時の費用をできるだけ抑えながら、ペットと快適に暮らすための工夫は数多くあります。
以下では、簡単に取り入れられる3つの対策をご紹介します。

カーペットを敷いて床を保護する

ペットの足音や爪痕からフローリングを保護するには、カーペットやラグを敷くと効果的です。
カーペットはペットの関節への負担を減らし、防水シートを併用すれば粗相によるダメージを軽減できます。
ただし、ペットの毛がたまりやすく清掃の負担が増すため、定期的に掃除機をかけたり洗えるタイプのカーペットを選ぶことがおすすめです。
ペットが主に過ごすエリアを中心に敷いておくと管理がしやすく、部屋全体の美観を保ちやすくなるでしょう。

爪とぎ防止対策を施しておく

猫や一部の小動物は、爪とぎが本能的な行動であり、その欲求を満たす場所がないと壁や家具に悪影響を及ぼします。
対策として、専用の爪とぎ器を部屋の複数箇所に配置し、ペットが好みそうな素材を選ぶと使用率が高まります。
また、爪とぎ防止シートを壁や家具に貼れば、直接的なダメージを軽減できる可能性が高まるでしょう。
こまめに爪を切ったり、爪とぎ器を定期的に新しいものに交換するなどの工夫も効果的です。

壁や床に保護フィルムを貼って傷防止

壁や床に、透明な保護フィルムを貼ることは、ペットによる傷を防止するうえで有効な方法です。
こうしたフィルムは目立ちにくく、室内の雰囲気を損なわないメリットがあります。
貼り替えも容易で、ホームセンターや通販などで安価に入手できるため、広範囲を保護したい場合にも適しています。
さらに、ジョイントマットやクッションフロアを併用すると、防音や防水効果も期待でき、より安心して暮らせるでしょう。
日頃のこまめな対策が退去時の費用を抑え、ペットとの生活を存分に楽しむことにつながります。

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まとめ

ペット可の賃貸物件では、退去時に発生する原状回復費用が高額になる可能性を理解しておくことが大切です。
傷や汚れ、においによる補修費用が発生しやすいため、入居中から対策を講じておく必要があります。
相場や補修内容を事前に確認し、傷防止グッズの活用などで費用とトラブルの軽減を目指しましょう。