シャワーのみの賃貸物件とは？選ぶメリットや注意点についても解説

賃貸物件を検討する際、設備内容によって日々の生活スタイルが大きく左右されると感じる方も多いのではないでしょうか。
なかでも「シャワーのみ」の物件は、浴槽がないことで掃除の手間や水道光熱費を抑えられる点が魅力です。
その一方で、湯船に浸かれないことを不便に思う方もおり、生活スタイルとの相性が問われます。
この記事では、シャワーのみ物件のメリットとデメリット、どのような方に向いているかを詳しく解説します。

浴槽がないシャワーのみの賃貸物件のメリットについて

お風呂といえば湯船に浸かるというイメージがありますが、近年では浴槽のない「シャワーのみ」の賃貸物件を選ぶ方が増えています。
とくに、一人暮らしの方や、効率を重視する生活スタイルを望む方にとって、シャワーのみの物件には多くの利点があるのです。
まずは、そんな浴槽がない賃貸物件のメリットについて、具体的な視点から詳しくご紹介します。

浴槽がないので家賃が抑えられる傾向がある

賃貸物件の家賃は、設備によって左右されます。
浴槽を省いたシャワーのみの物件は、建設費や維持費が低く、その分家賃も抑えられる傾向です。
都心部では、同条件でも約1万円の差が出ることがあり、単身者向けワンルームや1Kで顕著です。
地方都市では月額5万円以下、郊外なら3万円台の物件も探せます。
家賃以外の初期費用も抑えられ、敷金・礼金ゼロのキャンペーンがおこなわれることもあります。
家賃差が月収に占める固定費割合を下げられるため、生活防衛資金も確保しやすくなるでしょう。
学生や若年層、短期転勤者など、限られた予算で暮らしたい方には大きな魅力といえます。

トイレが別になっている物件も多い

シャワーのみ＝ユニットバスという印象がありますが、実際にはトイレとシャワーを分けた間取りも多く選べます。
築浅やリフォーム済み物件では、水回りを独立させた設計が主流で、衛生面や来客時の使いやすさが向上します。
洗面台が独立していれば、朝の身支度がしやすく湿気もこもりにくい点がメリットです。
掃除を分けておこなえるため、バスルーム特有の臭い対策にも効果的でしょう。
とくに、女性の一人暮らしでは、この点が重要なチェックポイントです。
プライバシーと清潔感を重視する方には、独立型の水回りが整った物件が安心材料となるでしょう。

浴槽掃除が不要で日々の手入れが楽

シャワーのみの賃貸物件は、浴槽がないため湯船の掃除が不要です。
床と壁を軽く拭くだけで済み、メンテナンス負担が少なくなります。
給湯器や追い炊き機能の劣化リスクが低く、修理費の発生確率も下がります。
節水効果もあり、毎月の水道代の節約につながるでしょう。
実際に、掃除にかける時間を、週あたり数十分減らせるという試算もあります。
忙しい社会人や出張が多い方には、日常の手入れが軽い住環境が大きな助けとなるでしょう。
掃除用洗剤の購入頻度も減るため、年間数千円のコストカットにつながる可能性も高いです。

▼この記事も読まれています
分譲賃貸とは？メリット・デメリットや一般的な賃貸との違いも解説

浴槽がないシャワーのみの賃貸物件のデメリットについて

シャワーのみの賃貸物件は、費用を抑えたり手入れを楽にしたりする目的で選ばれることが多く、とくに一人暮らしの方に人気です。
しかしながら、そうした物件には一定の不便さや不自由さを感じる点も存在します。
この章では、浴槽がないシャワーのみの賃貸物件のデメリットについて、具体的な事例を交えてご紹介します。

バスタブがないため湯船につかれない

シャワーのみの賃貸物件における最大の欠点は、湯船で温まることができない点です。
日本では、入浴が疲労回復やリラックスの手段とされているため、湯槽がないと物足りなさを覚えることがあります。
とくに、冬場や体調不良時には温熱効果を得にくいため、冷え性の方や高齢者には不向きです。
疲労回復を目的に長風呂を楽しむ人にとっては、代替手段として近隣の銭湯やスパを利用する必要が生じます。
湯船につかると血行促進や睡眠の質を高める効果があるとされ、これらを求める場合は入浴剤を使った足湯などで補う工夫が必要です。
厚生労働省の調査でも、浴槽入浴を週3回以上おこなう方ほど、睡眠の質が高いという結果が報告されています。

脱衣所がない場合に着替えが不便に感じる

間取りの関係で脱衣所がない場合、バスルーム横や室内で着替える必要があり、プライバシーや快適さに欠けることがあります。
来客時に生活感が出やすく、収納スペースも不足しがちです。
DIYで、簡易カーテンや収納棚を設置するなどの工夫である程度改善できますが、費用とスペースが限られる点は否めません。
脱衣所がないと濡れた衣類を置く場所に困り、結果として湿気が室内にこもるリスクも高まります。

冬場は浴室全体が寒く感じやすい

浴槽がないと浴室の保温性が下がり、冬場は寒さを強く感じやすくなります。
浴室と脱衣所の温度差が10℃以上になると、ヒートショックの危険があるため、暖房設備の有無を確認して簡易ヒーターなどで対策しましょう。
床暖房シートや防湿マットを敷くと、足元の冷えを軽減できます。
とくに、朝にシャワーを浴びる習慣のある方は、起床直後の冷え込みが強いと長く浴室にいられないという声も聞かれます。
暖房付き換気扇がある物件かどうかも、内見時に確認してください。

▼この記事も読まれています
賃貸借契約の必要書類について！印鑑証明書や住民票の役割も解説

シャワーのみの賃貸物件に向いている方について

賃貸物件を選ぶ際、設備の有無は家賃や生活スタイルに大きな影響を与えます。
中でも「シャワーのみ」の物件は、一般的な浴槽付きの物件とは異なる特性を持っています。
ここでは、そうしたシャワーのみの賃貸物件が特に向いている人の特徴を、具体的にご紹介します。

家賃を少しでも抑えたいと考えている方

家賃を抑えたい方には、建築コストが低いシャワーのみの物件が適しています。
同条件でも、浴槽付きより数千円から1万円ほど安く、都市部ほどこの差は大きくなります。
短期滞在や転勤時も、コストパフォーマンス重視なら十分検討に値するでしょう。
浮いた家賃分を貯蓄や趣味に充てられるため、資金計画を立てやすくなります。
社会人になりたてで収入が安定していない段階でも、無理なく賃貸契約を結べる点は安心材料です。

毎日入浴する予定がない方

帰宅が遅く短時間で入浴を済ませたい方や、海外生活でシャワー中心の習慣が身についている方は、浴槽のない物件でも不便を感じにくい傾向です。
さらに、掃除の手間が少ない点も魅力でしょう。
スポーツジムのシャワーで済ませるライフスタイルにも適しており、外部サービスとの併用で利便性が高まります。
浴槽を使わない文化に馴染みがあると、水道やガスの使用量に対する意識が自然と高まり、エコな暮らしにつながります。

水道代やガス代などの光熱費を節約したい方

浴槽にお湯をためると、約200リットルの水と相応のガスを毎日消費します。
一方、シャワーは1分約12リットルで、5分なら約60リットルと大幅に節水可能です。
追い炊きが不要なぶん、ガス代も抑えられるため、固定費を削減したい方に向いています。
光熱費の内訳をあらかじめ試算しておくと、家計管理がより明確になります。
たとえば、月に2,000円の節約ができれば、年間で24,000円の固定費削減となり、家計へのインパクトは小さくありません。
節約効果を数値化して目標を設定すると、さらにモチベーションが高まります。

▼この記事も読まれています
賃貸物件の契約期間が2年なのはなぜ？更新料や途中解約について解説

まとめ

シャワーのみの賃貸物件は、家賃を抑えやすく掃除の手間も少ないため、コスト重視の方に人気です。
ただし、湯船でのリラックスや広い脱衣所を求める方には、物足りなさを感じる可能性もあります。
設備の特徴を理解し、自身の生活スタイルに合った賃貸物件を選ぶことが満足度につながるでしょう。